お客様の声
「言語化」でビジネスが変わる! リーダーに求められる言語化ノウハウ
ダイヤモンド社 書籍編集局 第1編集部
吉田瑞希さん
『「繊細さん」の幸せリスト』『すごい左利き』『小学生がたった1日で19×19までかんぺきに暗算できる本』など、数々のヒット作を手がける。
「言語化」は、ビジネスパーソンの必須スキルとして大きな注目を集めています。
言語化のプロ・木暮太一がリーダー向けにノウハウをまとめた『リーダーの言語化 「あいまいな思考」を「伝わる言葉」にする方法』が、2024年10月2日に発売されました。
2023年に発売された『すごい言語化 「伝わる言葉」が一瞬でみつかる方法』に続く、シリーズ第二弾である本書は、発売即重版が決定。さらに部数を伸ばしています。
今回は『リーダーの言語化』と『すごい言語化』の担当編集者・吉田瑞希さんに、著者の言語化ノウハウの特徴や本づくりで大切にした点などをうかがいました。
<全体の趣旨>
・担当編集者の目線から言語化ノウハウの特徴などを話してもらう
・吉田様の実体験を交えることで、親近感と説得力を持たせる
・他のコミュニケーションや伝え方の本との違いを強く訴求する
・本づくりで心がけた点を伝えることで読みやすい本だとアピール
・最後の読んでない方へのメッセージで新刊・既刊を読むメリットをまとめ的に伝える
9割の人が言語化をできていない
最初に『すごい言語化』『リーダーの言語化』における言語化とは、どのようなことを指すのかお聞かせください。
吉田瑞希(以下、吉田):「言語化」とは、自[1] 分の頭の中にあるものを「誰か」に理解してもらうために、言葉に置き換えることです。「誰か」というのは、お客様や部下といった他の人はもちろん、自分自身での場合もあります。
言語化というと、物事を短いフレーズで表現するキャッチコピーを思い浮かべる方が多いと思いますが、実はそうではないんですよね。木暮さんの本の編集を担当して、「言語化とは、頭の中のあいまいな思考を明確化すること」だと気付きました。
最初に本における言語化の定義に軽く触れた方が、その後の話がわかりやすいと考えました。
ビジネスにおける言語化スキルの重要性について教えてください。
吉田:言語化はビジネスにおいて、一番重要なスキルだと考えています。顧客への提案や会議での発言、上司への説明、後輩への指導など、あらゆる場面で言語化が求められます。
言語化ができないと、例えばリーダーが部下に「いい感じにして」といったあいまいな指示をしてしまいます。でもこれではリーダーが望んでいるものが出てきません。その結果、リーダーと部下どちらも、余計な時間と手間がかかってしまいます。
私も『リーダーの言語化』に携わるまでは、デザイナーさんに「かっこいいデザインでお願いします」といった言い方で依頼しちゃってました。その結果、私が作ってほしいものと違うものが出てきてしまっていたんです。
周りの友人の話を聞いていても、出版業界だけではなくさまざまな業界で、言語化できていないことによる問題が生まれていると感じています。
また、言語化によって改善されるのは、コミュニケーションだけではありません。言語化をすることで、ゴールとそれに到達するまでに必要なアクションがはっきりし、効率的に仕事を進められます。 例えば、「会議で何を話すのか」を言語化するとします。もし会議のゴールを明確に言葉で言えないなら、その会議にはそもそも目的がなく、不要である可能性が高いです。不要な会議をやめれば、その時間を有効活用できますよね。
言語化スキルを十分に身につけている人の割合は、どのくらいなのでしょうか?
吉田:私の感覚ですと、10%くらいしかいないんじゃないでしょうか。9割の人が、言語化スキルを身につけられていないと感じています。リーダー層に関しても、同じくらいの割合です。また「自分は言語化ができている」と思っていても、実際には言語化できていないケースも多いと思います。
ほとんどの人が言語化をできていない理由は、何でしょうか?
吉田:主な理由としては、言語化を学ぶ機会がないから、だと思います。重要なスキルであるのにもかかわらず、学校教育でも社会人になってからも、言語化を体系的に学ぶ機会はほぼありません。学校の国語の授業でも、文章の意味や登場人物の気持ちを「読み取る力」を鍛えることに、注力しています。また、社会人になっても上司の要望を察することを求められます。そのため「言語化」とは、そもそも何なのか? を知らない人も多いと思います。
私自身も、言語化に苦手意識がありました。例えば、書籍の企画会議中に「なぜその企画がいいと思うか、どうすればもっと売れるようになるか」をパッと言語化することができず、「頭の中をプロジェクターで映し出せたらいいのに」と思っていたほどです。
編集者にとって言語化は非常に重要です。さらに、周りの編集者は言語化が得意な人が多いこともあり、コンプレックスに感じていました。しかし、伸ばす方法がわからないままだったんです。 2冊の本をつくるなかで言語化のノウハウを知り、スキルが磨かれていったと感じています。
言語化の本質は「どう伝えるか」ではなく「何を伝えるべきか」
多くのコミュニケーションをテーマにした本が出版されています。そういった本と、『すごい言語化』や『リーダーの言語化』の違いについてお聞かせください。
吉田:最大の違いは、「どう伝えるか」ではなく、「何を伝えるべきか」にフォーカスしている点です。多くのコミュニケーション本は、語彙力を上げる・短い言葉で伝えるといった伝え方の方法論に重点を置いています。
しかし、コミュニケーションをするうえで土台となるのは、自分のあいまいな考えを明確にして、「何を伝えるべきか」を整理することです。
もちろん伝え方もコミュニケーションの大切な要素です。しかし、「何を伝えるべきか」わかっていない状態で伝え方を考えるのは、つくる料理が決まっていないのに包丁の使い方を考えるようなものだと思います。 『すごい言語化』や『リーダーの言語化』では、これまでやや置き去りになっていた土台の部分にフォーカスしており、「何を伝えるべきか」を考える力を身につけられます。
言語化のノウハウをまとめた『すごい言語化』に続いて、今回、リーダー層に向けた『リーダーの言語化』を企画した理由を教えてください。
吉田:著者の木暮さんからの提案がきっかけです。木暮さんが企業研修や講演をされ、リーダーの言語化スキルが課題だと強く感じた、そしてリーダーが言語化できていると組織が驚くほどスムーズに動いていくことを実感したそうです。
確かに人をまとめる立場であるリーダー層が言語化を上手くできていないことで、メンバーがどのように動いてよいかわからなくなる場面は少なくありません。言語化はリーダーにとって、非常に大切なスキルだと思います。
『リーダーの言語化』で特に印象に残っている部分はどこでしょうか?
吉田:リーダーをスポーツの監督に例えているのが非常に印象的で、かつそう考えるとすべてスッと腹落ちさせられました。監督は勝つための作戦と、選手が取るべきアクションを明確に示す役割を担っていますよね。「自分で考えて、試合に勝ってきて」と選手たちに言っていたら、監督失格です。
監督の役割をリーダーに置き換えることで、ビジネスシーンでもリーダーが言語化をしてメンバーがとるべきアクションを決め、指示する必要があると、すんなり納得できました。「自分の頭で考える部下」を世の中全般的に求めていると私は感じていますが、本当はそれではいけないんですよね。
もう一つ仕事ですごく役に立っているのは、商品の差別化についてです。「差別化=他の商品との違い」と思われがちですが、実はそうではないと木暮さんの2冊を編集して気づきました。差別化とは、「『ほかの商品ではできない、うちの商品ならできる』を伝えること」と木暮さんが説明してくれています。
書籍では、他の本との違いを打ち出すだけでは無意味です。読者がその「違い」を選ぶ理由がなければ、手にとってはもらえません。書籍を企画するうえですごく大切な視点だと感じ、ハッとしました。 『すごい言語化』もそうなのですが、ビジネスに活かせる気づきの多い本だと思います。
たった1日で読める!パズルのような構成が特徴
『リーダーの言語化』の反響はいかがでしたか?
吉田:ありがたいことに、発売当初から売り上げが好調で、すぐに重版が決定しました。内容には自信があったのですが、それでもどきどきしながら売り上げをチェックしていたので、ほっとしましたね。
読者の方からは「さらっと読める」「1日で読めました」といった声を多くいただいています。実は本書は、前著『すごい言語化』や一般的なビジネス書よりも文字数が多いんです。にもかかわらず、その理由は大きく2つあると考えています。
1つは、木暮さんの文章が抜群にわかりやすいこと。もう1つは、パズルのような構成を意識したことです。各章の始めでどんなトピックを学べるかを提示して、読み進めるにつれてピースが埋まっていくよう構成しています。章の最後にまとめを入れ、読み終わると頭の中のパズルが完成するようなイメージです。
そういった変化をつけることで、読者が自然に次のページをめくりたくなるような本に仕上がったと思います。
また、イラストの力も大きいですね。イラストを効果的に使うことで、視覚的に理解できますし、メリハリも生まれます。 リーダー層をはじめ、忙しいビジネスパーソンの方々にとって、スラスラ読めて短時間で学べるのは、大きなメリットです。
構成以外で、こだわった部分があれば教えてください。
吉田:第一弾の『すごい言語化』とも共通しているのですが、本を読むことで得られる効果や言語化の必要性がシンプルに伝わるタイトルや表紙にしています。
『すごい言語化』を出版後に言語化というキーワードが一層広く知られつつありますが、まだイメージを持てない人も多いのが現状です。興味を持ってもらえるよう、端的でわかりやすいメッセージを意識しています。『リーダーの言語化』というタイトルも、「これしかない」という感じで木暮さんと決めました。 帯もリーダー風の人物のイラストと「いい感じにお願い!」というセリフを組み合わせて、ビジネスシーンでよく見かける言語化できていないリーダー」を表現することで、共感を呼び手にとるきっかけになればと考えてつくりました。
最後に、『すごい言語化』や『リーダーの言語化』をまだ手に取っていない読者の方に、メッセージをお願いします。
吉田:言語化はビジネスにおいて必須のスキルなのに、これまで習ってきませんでした。そして実際にかなり多くの方が言語化できずにいると思います。そして、職場でも明確に伝えることができず、仕事が思うように進まずに悩んでいます。
リーダーをはじめ多くのビジネスパーソンが言語化スキルを身につけることで、スムーズに組織が動き、業務もはかどります。 2冊の本が、言語化の必要性やすごさを知るきっかけになれば、とても嬉しいです。
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