「部下に指示を出したのに、意図通りに動いてもらえない。」
「やり直しが増え、チームの生産性が上がらない。」
このような悩みを持つマネージャーは少なくありません。そしてその原因の多くは、「言語化不足」にあります。
多くの人は、言語化を「話し方」や「表現力」だと考えがちですが、本質は違います。
言語化とは、「期待や考えを具体的に定義すること」です。
この記事では、マネジメントにおいて重要な言語化スキルと、具体的な実践方法を解説します。
なぜ部下に指示が伝わらないのか?
指示や期待が「曖昧」だからです。
例えば、以下のような指示はよくあります。
・「顧客をリサーチしておいて」
・「しっかり準備しておいて」
・「主体的に動いてほしい」
一見すると問題なさそうですが、これらはすべて曖昧です。
受け手によって解釈が変わるため、行動がズレてしまいます。
その結果、
・やり直しが発生する
・認識のズレが生まれる
・部下が動けなくなる
といった問題につながります。
本当の言語化とは何か?
言語化とは、自分や相手の「頭の中」を明確にすることです。
つまり、
・誰が見ても同じ解釈になる
・行動レベルまで落とし込まれている
このような状態を指します。
言語化できていない指示の例
例①:曖昧な指示
上司:「顧客をリサーチしておいて」
部下:(何を?どこまで?いつまで?)
例②:言語化された指示
上司:「競合他社との価格差を調べて、明日までに表にまとめてください」
この違いは明確です。
後者は「行動」が具体的にイメージできます。
なぜ言語化できないのか?
主な原因は以下の2つです。
① 曖昧な表現が当たり前になっている
1つ目の原因として、「いい感じに」「しっかり」「主体的に」など、抽象的な言葉でコミュニケーションを取ることに慣れてしまっている点が挙げられます。
特に日本語や文化の特性として、明確な発言を避ける傾向があったり、相手への配慮から生まれる遠回し表現が多かったりするので、なんとなく曖昧にしておくのが当たり前になっている可能性があります。
また、教育システムの影響も考えられ、「読み取る力」重視の教育がされすぎて、「表現する力」の教育が不足してしまう場合もあります。
② 頭の中が整理されていない
そもそも、何を求めているのかが自分の中で明確になっていないケースも多いです。
そのため、言葉にしようとしても曖昧になります。
マネジメントで使える言語化の方法
指示は「分解」して考えることで言語化できます。
以下の4つの要素に分けて考えてください。
・対象(誰に対してか)
・目的(何のためか)
・期限(いつまでか)
・成果物(何を出すのか)
適切な指示出しの例
NG:資料を作っておいて
OK:来週の会議で使う資料を、金曜までにPowerPointで作成してください
期待することも言語化して伝える
マネジメントでは、「指示」だけでなく「期待」の言語化も重要です。
NG:主体的に動いてほしい
OK:週1回、自分から改善提案を出してほしい
NG:顧客志向を持ってほしい
OK:商談で必ず3つ以上質問をして、ニーズを深掘りしてほしい
まとめ:マネジメントは言語化で変わる
マネジメントの成果は、「言語化の質」で大きく変わります。
・何をしてほしいのか
・どのレベルを求めているのか
・何ができれば評価されるのか
これらを具体的に言語化することで、部下は迷わず行動できるようになります。
ぜひ実践してみてください。
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この記事を書いた人
木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。
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