
この記事では、管理職の方向けにコミュニケーション研修が必要な理由や「言語化」スキルを身につけるメリット、研修で気を付けたいポイントなどについて解説していきます。
・部下とのコミュニケーションが思うように取れない
・チーム間の「報告・連絡・相談」に問題があると感じている
・指示や指導の仕方に悩んでいる
これらにあてはまる方や組織の方は、特に要チェックです。
職場のコミュニケーションで生じるさまざまな問題や悩みを解決したい方は、ぜひ本記事を最後までご覧くださいね。
コミュニケーション研修が必要な理由3選
業務が効率的に進み生産性が上がる
コミュニケーションは、人と人とが意見や感情を伝え合うこと、そして理解し合うことなどを指しますよね。
仕事におけるコミュニケーションとなると、上司から部下への指示や同僚同士の情報共有が正しくなされること、分からないときに質問し理解できるような説明をしてもらうことなど、多くの場面で「正しく伝わる」ことが求められます。
そして正しいコミュニケーションがとれると、誤解を防ぐことができ、ミスを減らすことができ、仕事内容が明確になり個々のパフォーマンスを向上させられたりと、多くのメリットが得られるようになります。
頭では理解していても、
「では実際どうすれば正しいコミュニケーションがとれるのか?」
「理解してもらえる良い指示が出せるのか?」
「質問の意図を分かってもらえるのか?」
など、具体的な方法まで理解している方は少ないかもしれません。
これらを理解していると業務の効率が格段に上がるので、特に管理職など上司の立場の方は生産性を上げるためにも、コミュニケーション研修で正しい理解をしておきたいところです。
情報共有がスムーズになり工数カットできる
コミュニケーションが正しくとれることで、従業員間の情報共有がスムーズに進み、そこにかかる工数をカットすることができます。
働いているみなさんは、こんな経験がありませんか?
「一度のやり取りで済んだはずなのに、正しく伝わらずに何度かやり取りが発生した」
「正しく伝わっておらずイメージと違うものを納品され、やり直すことになった」
などなど。
職場では結構あるあるですよね。
コミュニケーション研修を受けることで正しい伝え方を学ぶことができ、これらの「時間がもったいない」というような工数を減らすことができるようになるのです。
従業員同士の関係性が上がりモチベーションの低下を防げる
建設的なコミュニケーションにより従業員同士の関係性が上がり、仕事に対するモチベーションを保てるようになります。
仕事で関わる人とうまく意思疎通ができないと、なんとなく気まずくなったり、その場にいたくなくなったりしませんか?
しまいには、働くこと自体が嫌になったりしますよね。これは完全にモチベーションの低下です。
部下からしたら、「あの上司は話が伝わりにくい」という認識になってしまい、必要な報告や共有をしなくなってしまうことも。関係性が良いとは言えない状態ですね。
逆に発言しやすい環境であったり、分からないことをすぐに質問できるような環境、つまり「コミュニケーションがとりやすい環境」であると、心理的安全性が保たれて、モチベーションを維持しながら働き続けることができるはずです。
このような職場環境を目指すためにも、コミュニケーション研修でしっかりとスキルを身につける必要があります。
「言語化」スキルを身につけるメリット
ここまでコミュニケーション研修を受けるべき理由を解説してきましたが、コミュニケーションスキルを上げるために目指すことは、「言語化できるようになること」です。
ただ思ったことを言葉にするということではなく、相手に理解してほしい内容を明確に伝えられるような言語化が求められます。
例えばあなたが広告デザインの仕事をしているとします。
部下の納品物を見て、「ちょっと色合いが地味だな…」と感じたとしましょう。
部下に修正を戻すとき、「色が地味だから、もっとユーザーがときめくようなカラー変更して!」と言っても、どこの箇所をどんな色に変更すればいいか分からないですよね。部下からしたら、自分がときめくと感じるデザインを作成したのだから、どう修正していいのか分からないということになってしまいます。
そして再提出されたデザインがまたイメージと違ったら、戻すことになり…
工数もかかりますし、部下との関係性も悪くなってしまうかもしれません。
最初から「どうして直したほうがいいのか」「どこを直せばいいのか」「どのように直せばいいのか」などを言葉にして伝えることができれば、部下も理解できて修正の対応がしやすくなりますよね。
部下の成長のために自分で考えてみてほしい、という場合であっても、「こういう理由から、こういう方向性で、あと自分で考えて直してみてほしい」というような伝え方であれば、納得度が高くなり部下も対応しやすくなると思いませんか?
このように、相手に正しく理解してもらうための「言語化」のスキルは、さまざまなコミュニケーションの場面で役立つのです。
コミュニケーション研修の効果を感じづらいと言われる理由
研修内容と現場のニーズのミスマッチ
研修内容が参加者の業務内容や職場環境と合致していない場合、研修で学んだスキルを実践する機会がなく、効果を実感しにくいことがあります。
コミュニケーションに関する研修やセミナーは探すと数多く見つかるので、研修の内容を事前にチェックして、職場の環境やニーズにマッチしている研修を選ぶようにしてください。
研修後のフィードバックがない
研修で学んだスキルを職場での実践につなげるためには、研修後のフォローアップが不可欠。
上司や同僚、部下からのフィードバック、OJT、定期的な振り返りなどを通じて、学んだスキルを定着させることが重要になります。
実際に作業効率が上がったかどうか、業務にかかった時間ややり取りなどを振り返ってみるのもいいですね。
研修の目的が理解されていない
参加者に研修の目的や意義が理解されていない場合、積極的に参加せず、効果が期待できないことがあります。
研修前に研修の目的や期待される効果を明確に伝え、参加者のモチベーションを高めることが重要です。
効果的なコミュニケーション研修を行うためのポイント
研修の目的を明確にする
研修の目的を明確にすることで、研修内容の焦点が絞られ、学習効果を高めることができます。
例えば、「チームワークの向上」「顧客満足度の向上」「ハラスメント防止」など、具体的な目的を設定することが重要です。
各々のポジションに合わせた研修内容にする
新入社員、中堅社員、管理職など、参加者のレベルに合わせて研修内容を調整することが重要です。
管理職向けのコミュニケーション研修でいうと、部下育成に関わるマネジメント方法や、指示の出し方、𠮟り方などがカリキュラムに入ってくると思います。これらは新人社員が受けても効果を発揮しませんし、逆に新人向けの発言方法などの研修を管理職の人が受けるとなっても、やる気が出ないですよね。
ポジションにマッチした研修内容になっているかどうか、実施前に確認するようにしましょう。
研修後も定期的に評価を行う
コミュニケーション研修は、「カリキュラムが終わったら終了!」ではありません。研修を活かして仕事をすることが重要ですし、実際に活かせているかどうかチェックすることも必要です。
しかし現状、研修の効果をなかなか計測しづらく、「研修を実施して終わり」というケースが多いのが実態です。「わかってはいるけど、なかなかフォロー体制を作りづらい」という声はよく聞きます。(研修後にどういうフォロー体制を作るかも含めて、貴社に合ったプランをご提案できますので、ぜひお問い合わせください。)
まとめ
管理職向けにコミュニケーション研修が必要な理由と、学ぶべき「言語化」について解説しました。
正しく「言語化」したコミュニケーションがとれると、業務が円滑に進むようになって生産性が上がりますし、ミスを減らすこともできるようになります。
職場のコミュニケーションのさまざまな問題を解決できるようになるので、ぜひ「言語化」の習得を目指していきましょう。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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