
女性管理職の方や、ステップアップを目指している女性従業員の方を支えるのは、企業や組織にとって大きなプラスになります。生産性の向上や、SDGs(持続可能な開発目標)の経営課題に貢献できるなど、さまざまなメリットがあるためです。
しかし、女性が昇級しにくかったり、ライフワークバランスで悩んでいたりなど、直面している課題が多いのが現状。
そんな問題点を解決するために、女性管理職向けの研修が役立ちます。
この記事では、女性管理職研修が必要な理由や研修で学びたい内容などを解説していきます。
女性管理職研修が必要な理由
スキルや能力を活かす可能性を広げられる
女性の中には、「バリバリ働いて昇級したい」「多くのスキルを身につけて会社に貢献したい」という方も、もちろん多くいらっしゃいます。
ですが女性の管理職は、正直数が少ないのが現状です。そのためロールモデルがいないので、昇進・昇級をどの程度させてよいのか分からず、キャリアパスを描きにくいという課題があります。
また、どうしても昇進の機会が男性に偏りがちで、女性が活躍できるポジションが少ないという問題もあります。
これらの課題を克服するために、企業全体でのサポート体制の構築と、女性管理職の人自身がスキルアップできる機会を提供することが必要です。
その仕組み作りに、女性管理職研修が役立ちます。
これまでさまざまな現場で活躍してきた人が、自身のスキルや能力を活かせないのはもったいないですよね。女性管理職研修は、自身のスキルをどのように活かせるかを改めて考えられる、良い機会となるはずです。
女性の活躍を推進することは企業にとってもメリット
女性管理職研修は、個人の成長だけでなく、組織全体にも多大なメリットをもたらします。
研修で学べるリーダーシップスキルや問題解決能力、コミュニケーション能力などは、チームのパフォーマンス向上に直結し、組織全体の生産性向上に貢献します。そして 研修によって女性管理職は自信を高め、より積極的にリーダーシップを発揮できるようになることが期待されます。
その結果チーム全体のモチベーションが向上し、生産性を向上させられるでしょう。
また、チーム内で他の女性メンバーが悩んでいるときに、親身になれるという利点もあります。
女性同士のほうが打ち明けやすい話もあるでしょう。そこで相談し、悩みを解決できた女性社員は、それまでより高いパフォーマンスを発揮できるようになるかもしれませんよね。
SDGs(持続可能な開発目標)の経営課題に貢献できる
SDGs(持続可能な開発目標)の目標5「ジェンダー平等を実現しよう」は、「女性が差別などから解放され、能力を最大限に発揮できる社会の実現」を目指しています。
女性リーダーの育成は、まさにSDGs達成への貢献となり、企業の社会的責任を果たす上でも重要になるのです。
女性管理職の育成は、多様な視点を取り入れ、組織全体の創造性と革新性を高める上で重要な役割を果たします。 女性リーダーが増えることで、企業文化がより柔軟になり、従業員のモチベーション向上にも繋がるかもしれません。
女性リーダーシップの推進は、単に倫理的な問題だけでなく、ビジネス戦略としても非常に重要です。 多様な視点を取り入れることで、市場の変化に迅速に対応し、新たなビジネスチャンスを掴むことができます。
このように女性管理職の育成は、組織の成長と競争力強化のためにも役立つと言えるでしょう。
女性管理職研修で学ぶ6つの内容
リーダーシップ
リーダーシップ研修では、リーダーシップの基本原則、チームを率いるための戦略、メンバーのモチベーション向上方法などを学びます。
リーダーシップスキルは、単に指示を出す能力ではなく、チームをまとめ、目標達成に向けて導く力です。 研修では、リーダーシップの様々なスタイルや、状況に応じたリーダーシップの発揮方法などを学びます。
リーダーシップというと、「強気でメンバーをまとめて人材を動かす」というようなイメージが持たれますが、実はリーダー性も人によって様々です。
自分らしい方法でチームを率先したり、メンバーの信頼を得るやり方について学習しましょう。
コミュニケーション
効果的なコミュニケーションは、チームワークを円滑にし、誤解を防ぎ、生産性を高めます。 研修では、アサーティブコミュニケーション(お互いを尊重しながら意見を交わす方法)、傾聴スキル、フィードバックの伝え方などを習得し、より良い人間関係を築くためのスキルを磨きます。
管理職になると、部下に指示を出したりフィードバックをしたりする機会が広がります。「言いにくいな」と思うことも、時には言わなくてはなりません。
そのような場合の声の掛け方や話し方などについても、ここで学んでいきましょう。
問題解決能力
問題解決能力は、変化の激しいビジネス環境において不可欠です。 研修では、問題の本質を見抜き、創造的な解決策を生み出すための思考法や、データに基づいた意思決定プロセスを学びます。
女性だからこそ気づける問題の原因などもあるはず。繊細な部分に気づけるのは、やはり女性が多いものです。
そんな女性ならではの視点を大いに活かせるよう、問題解決の基本的な方法や育成について学びます。
キャリアデザイン
女性が管理職として働く上で抱える不安や悩みと、将来のキャリアデザインについてさまざまな可能性を学びます。
女性は育児や介護など、家庭生活と仕事を両立する場面が多くあるのが現状です。そんな中で、自分の理想のキャリアを築くにはどうすればよいのでしょうか。
実はこれは、女性の管理職が少ないため、なかなか相談できる人がいなかったりします。
そのため研修にて仕事とプライベートの両立を実現するための方法やストレスチェックなども学び、女性が直面しやすい課題とキャリアデザインについて学習しましょう。
ロジカルシンキング
管理職の立場には、ロジカルシンキングが必須です。
データの分析や組織が抱える問題について論理的に考えて、解決方法を導いていかなくてはいけません。
問題解決能力にも似ていますが、そのための前提として必要なのがこのロジカルシンキング。物事に対し、どのように思考を巡らせるのかの基本を学びます。
言語化
自分の考えや感情を、正確に伝えるために言葉にする方法を学びます。
女性管理職になると、家庭と仕事の両立から、ストレスを抱えることも少なくないと思います。つい感情的になってしまうこともあるでしょう。
そんなとき、自分の頭の中を整理して伝えたいことを言語化できる力が役立ちます。
言語化は、指示を出すときやフィードバックを行うときも必要になります。
誤解されたまま伝わるということがないよう、正しく言語化して伝える力を養いましょう。
女性管理職研修で失敗しないための対策
特定のロールモデルを押し付けない
女性管理職はロールモデルが少なく、なかなか見つからないものです。
そのため少し見つかったモデルを「これが正しい女性管理職のあり方!」と決めつけ、特定のロールモデルを押し付けがちになってしまいますが、これは要注意。
人それぞれで描くキャリアデザインが異なりますし、育児・介護の有無など、家庭環境も異なります。パフォーマンスを最大限発揮しながら、自分らしく働く方法を模索するために、研修を役立てるようにしましょう。
ただ、実際に成功している女性管理職の話を取り入れ、リアルな事例を伝えるのは有効な手段になります。
実例を混ぜて、女性管理職がどのような働き方をしているのか参考にできるようにしましょう。
目的を明確にして課題や悩みにあった研修を選べるようにする
ただやみくもに研修を受けても、その成果を十分に得ることはできません。
女性管理職が実際に抱えている問題や、管理職を目指している従業員が不安に思うことを明確にし、それを解決できるような内容の研修を選びましょう。
研修対象者の選定を適切に行うことも重要です。研修対象者のレベルやニーズを考慮せずに研修対象者を選定すると、せっかくお金をかけて研修を受けても効果が得にくいです。研修対象者のレベルやニーズを把握し、適切な研修対象者を選定しましょう。
まとめ
女性リーダーの育成は、組織全体の創造性、革新性、そして競争力を高めることに繋がります。
女性管理職研修は、スキルアップの機会にもなりますし、多様性を尊重する企業へと成長するための重要なステップです。 企業や組織をますます成長させるために、女性社員のキャリアを見つめ直してみましょう。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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