
今日からできること、長期的に育てること
社内の人間関係を円滑にし、仕事をスムーズに進めるうえで「コミュニケーション能力」は欠かせません。特に新入社員から30代前半の若手社員にとって、社内で信頼される存在になるには、日々のやりとりの積み重ねが重要です。
本記事では、「今日からできること」と「長期的に育てること」の2つの視点から、社内コミュニケーション能力を高めるための実践的な方法をご紹介します。今回は、個々の詳細ノウハウではなく、全体像を捉えていただくために、俯瞰した視点で記載します。
今日から始められる具体的な行動(短期的対策)
1. 雑談や名前を覚えるなどでラポールを築く
ちょっとした雑談や挨拶を積極的に行い、同僚の名前や仕事内容を覚えることで信頼関係を築けます。小さな関心が、相手にとっての安心感につながります。
2. 伝える内容は簡潔明瞭に
冗長な説明は避け、結論から伝えたり、要点を箇条書きで整理するなどして、わかりやすく話すことを意識しましょう。
3. 傾聴と共感を示す
相手の話を最後まで聴く「アクティブリスニング」を意識します。頷きやアイコンタクト、相手の言葉を言い換えて返すことで、共感と理解の姿勢が伝わります。
4. 建設的なフィードバックを行う
フィードバックは事実に基づき、「○○の行動がこういう影響を与えた」というように、人格ではなく行動にフォーカスして伝えましょう。「私はこう感じた」と主語を自分にすると、相手も受け入れやすくなります。
5. 会議では遠慮せず発言する
「何も言わない」よりも、自分の視点や質問を共有することに意味があります。事前に議題を確認して、自分の意見を準備しておくと、発言へのハードルが下がります。
長期的に育てていく要素(長期的対策)
1. 対話力を高める研修に参加する
ロールプレイや専門家によるワークショップなど、実践型の研修に定期的に参加することで、対人スキルを体系的に伸ばすことができます。
2. EQ(感情知能)を育てる
自分と他人の感情を理解・調整する力は、コミュニケーションの質を大きく左右します。マインドフルネスやコーチングなどを通して、感情に振り回されない自己管理力を育てましょう。
3. 読書習慣を持ち、自己学習を続ける
コミュニケーションに関する本や記事を継続的に読むことで、語彙力や表現の引き出しを増やし、理解力・説明力も高められます。
4. メンタリング制度を活用する
先輩社員との定期的な対話を通じて、実務や人間関係の知恵を吸収できます。信頼できる相談相手がいることで、成長スピードも加速します。
5. 心理的安全性のある職場文化を育てる
個人の努力だけでなく、組織として安心して発言できる環境をつくることが大切です。上司やリーダーがオープンな姿勢を示すことで、チーム全体に良い影響を与えます。
【比較表】短期的対策と長期的対策
短期的にできること | 長期的に育てること |
---|---|
雑談・名前を覚えることでラポールを築く | 心理的安全性のある職場文化を醸成する |
要点を簡潔に伝える | 読書を通じて表現力を高める |
傾聴と共感を示す | EQを高めるための訓練をする |
行動にフォーカスしたフィードバックを行う | メンターからの継続的な指導を受ける |
会議で積極的に発言する | コミュニケーション研修に定期的に参加する |
まとめ
コミュニケーション能力は、天性のものではなく「後天的に育てられる力」です。日々の小さな行動を意識することが、長期的な成長につながります。
今日からできることをコツコツ積み重ねながら、未来に向けた学びや環境整備も意識していきましょう。そうすることで、信頼されるチームメンバーとして、社内での存在感がぐっと高まるはずです。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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