言葉にできない感情を言語化する方法 〜「言いづらいこと」を伝える言語化テクニック〜

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今日は「言いたいことがあるけど、言いづらくて言えない時」の対処法について書いていきます。

ぼくらはよく「言いたいことがあるのに、言えない」という状況に陥ります。上司への不満、パートナーへの要望、友人に対する本音など…。言いたくても言葉が出てこなかったり、言ったら関係が悪くなりそうで躊躇したりするんですよね。

でも、実は「言えない」のではなく、「自分でも何を言いたいのか整理できていない」のかもしれません。感情をきちんと言語化できれば、相手にも適切に伝わる可能性が高まります。

なぜ言葉にできないのか?

言葉にできない理由はいくつかあります。

  1. そもそも自分が何を感じているのかわからない
  2. 「言い訳っぽく聞こえたらどうしよう」と心配している
  3. 「相手を傷つけるかも」と配慮しすぎている
  4. 「本当の気持ちを言うと関係が壊れるかも」と恐れている

これらはすべて正当な理由です。でも、言葉にしないままだとストレスが溜まり、結局は関係性を悪化させます。

感情を言語化するための「べき」と「だって」の型

感情を言語化するための効果的な方法として、「べき」と「だって」の型があります。この型に当てはめて考えると、意外とすんなり自分が考えていることが分かり、言葉にできるようになります。

【ステップ1】自分の「だって」を明らかにする

まず、自分がなぜ嫌な気持ちになったのかを探ります。「なんでそんなこと言われなきゃいけないんだよ、だって…」と続けるとしたら、何が入るでしょうか?

例えば「上司に無理な仕事を振られた時」の場合: 「こんな無理な仕事振られたくない。だって、すでに今週締め切りの仕事で手一杯だし、プライベートで大事な予定があるんだもん」

この「だって」部分こそが、あなたの本当の感情です。

【ステップ2】相手の「べき」を推測する

次に、相手がどんな「べき論」を持っているかを推測します。

例:「仕事量に関わらず、その分野の仕事はやるべき」「チームの目標達成のためにメンバーは全員頑張るべき」

こうした相手の「べき論」を理解することで、なぜそういう言動をとるのかが見えてきます。

【ステップ3】相手の「だって」を推測する

最後に、相手の「べき論」の背景にある「だって」も推測します。

例:「だって、その都度業務の分担を変えるとかえって混乱するから」「だって、目標を達成しないと会社の評価が下がるから」

これらの推測が正しいかどうかは問題ではありません。言葉にすることで、自分の気持ちが整理され、冷静になれます。

実際に伝えるときのポイント

  1. 言いづらい感情を相手に伝える時には、自分が抱いている感情を冷静に、第3者視点で解説してあげることが有効です。いきなり相手に伝えるのではなく、まずは独り言から始めてみましょう。他人事のようにも聞こえる言い回しで、独り言で表現することがポイントです。
  2. 自分は嫌な思いをしたんだけど、それはもしかしたら「だって~~~~だもん」と思っているからかもしれないね。
    でも一方で相手は「~~~~すべき」と思っているから、こんなことを言ってきてるんだろうな。
    そして、もしそれをやらないと大変なことが起こると思っているんだろうな……。
  3. このように、冷静に独り言で話し、状況を明らかにします。そうするだけで、あなたの気持ちはかなり楽になります。そして状況を言葉にすることに慣れてくれば、冷静にそれを相手に伝えることができるようになります。

最後に

言いづらいことを伝えるには、まず自分自身が何を感じ、何を伝えたいのかを整理することが大切です。その上で、相手の立場も考慮し、お互いの理解を深めながら話を進めていきましょう。言語化は才能ではなく、「型」です。練習すれば必ず上達します。型を習得すれば、あなたの頭の中がどんどん整理され、相手に伝わる言葉で表現できるようになるはずです。

今日からでも、少しずつ自分の感情を言語化する練習をしてみませんか?きっと、人間関係はより豊かになるはずです。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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