
ビジネスの現場で「考えていることをうまく言葉にできない」「会議で発言した内容が正確に伝わらない」「上司にうまく報告できずモヤモヤする」——そんな悩みを抱えたことはありませんか?
これらの悩みの根本にあるのが、「言語化スキル」の不足です。
言語化スキルとは、自分の頭の中にある考え・感情・事実・構造を、相手に伝わる形で「言葉に変える力」。この力はプレゼン、会議、営業、マネジメントなど、あらゆるビジネスシーンで不可欠です。
本記事では、どんな人でも今日から実践できる「言語化スキルを高める3つの習慣」をご紹介します。
1. 「構造」で思考を整理する:まずは“型”を使え
言語化が苦手な人の多くは、「何をどう伝えたらいいかわからない」と感じています。
その原因は、頭の中がごちゃごちゃして整理されていないから。つまり「構造がない」状態です。
そこで有効なのが、思考に“型”を与えることです。
代表的な構造は以下の通り:
- PREP法:Point(結論)→ Reason(理由)→ Example(具体例)→ Point(まとめ)
- SDS法:Summary(要点)→ Detail(詳細)→ Summary(要点)
- ピラミッド構造:上位概念→中位→具体
これらのフレームワークを使うことで、伝える内容が整理され、相手も理解しやすくなります。
💡たとえば、上司に「プロジェクトの進捗どう?」と聞かれたとき:
「結論から言うと、予定通り進んでいます。理由は、想定していたボトルネックに先回りで対応できたからです。実際、昨日の段階で主要タスクの80%が完了しています。」
これがPREPです。思考に型を与えれば、言語化の精度が一気に上がります。
2. フィードバックで“自分の言葉”を磨く
どんなに話し慣れた人でも、「自分の話がどう伝わっているか」は意外とわからないものです。
そこで必要なのが他者からのフィードバックです。
自分の発言や説明に対して、「わかりやすかった/わかりにくかった」「ここが曖昧だった」などの意見をもらうことで、言葉のズレや曖昧さに気づくことができます。
おすすめは次のような実践:
- 1分スピーチを録音して自分で聞き返す
- 会議後に「さっきの説明、伝わってた?」と聞いてみる
- 同僚とフィードバックを交換するミニセッションを設ける
フィードバックは「傷つくもの」ではなく、「言葉のブラッシュアップの材料」です。
誰かに見てもらい、磨く。このプロセスを通じて、あなたの言語化は確実にレベルアップします。
3. 日常の中で「話す・書く」を繰り返す
スキルは筋肉と同じ。使えば鍛えられ、使わなければ衰えます。
言語化スキルも例外ではありません。どれだけインプットしても、実際に「話す・書く」アウトプットを通じてしか身につきません。
言語化筋力を高めるために、日常的にできるトレーニングは以下の通り:
- Slackやチャットの返信をPREPで構成する
- 朝会で1分スピーチの機会をつくる
- 日報を「今日の気づき3行」でまとめる
- 会議の議事録を論理的にまとめてみる
ポイントは、「特別なトレーニング時間を設けず、日常業務に組み込む」こと。
“意識して言葉にする”という習慣こそ、最大のトレーニングになります。
言語化は、センスではなく“習慣”で伸びる
「言語化が得意な人」は、特別な才能があるわけではありません。
彼らは、日常の中で「考えを整理して伝える」ことを繰り返し、“言葉の型”と“フィードバック”で鍛えているだけです。
つまり、言語化スキルは誰でも後天的に伸ばせるスキル。
あなたも、今日から少しずつ、言葉にする習慣を始めてみませんか?
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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