
ビジネスでもプライベートでも、「コミュニケーション能力が高い人」は周囲から一目置かれます。会話がスムーズに進み、相手に安心感を与え、時にはチームをまとめる存在にもなる――。
では、具体的に「コミュニケーション能力が高い人」とは、どんな特徴を持っているのでしょうか?
今回は、コミュニケーションの本質を掘り下げながら、具体的な特徴を解説していきます。
そもそも「コミュニケーション能力」とは何か?
まず押さえておきたいのは、コミュニケーション能力は「話す力」だけではないということです。
人に伝える力はもちろん重要ですが、同時に「聞く力」「場を整える力」「相手の意図を読み取る力」など、総合的なスキルが含まれています。
つまり、コミュニケーションとは単なる発信ではなく、「双方向のキャッチボール」。
一方的に自分の話をするだけではなく、相手の言葉を受け止めながら、関係を築いていく力だと言えます。
では、それを踏まえた上で、具体的にどんな特徴があるのか見ていきましょう。
特徴① 相手の話を「聴く力」がある
コミュニケーション能力が高い人は、相手の話を「聞く」だけでなく「聴く」ことができます。
ここでいう「聴く」とは、単に耳に入れるだけではありません。
相手の言葉に集中し、背景にある思いや意図まで汲み取ろうとする態度を指します。
たとえば、
- 相手の表情や声のトーンに敏感に反応する
- 途中で口を挟まず、最後まで話を聴く
- 相手が言葉にしきれていない感情にも気づく
- こうした姿勢が、相手に「この人はちゃんと受け止めてくれている」という安心感を与え、信頼関係を築く礎になります。
特徴② 言葉の選び方が丁寧
伝え方にも、コミュニケーション能力の高さは表れます。
同じ内容を伝えるにしても、言葉の選び方ひとつで相手の受け取り方は大きく変わります。
たとえば、
- 「こうした方がいいんじゃない?」と提案するのか
- 「なぜこれを選んだのか教えてもらえる?」と質問するのか
この違いだけでも、相手が感じる印象はまったく異なります。
上手な人は、相手にプレッシャーをかけず、自然な流れで意見を伝えたり、対話を促したりします。
言葉を雑に扱わず、相手に寄り添った表現を選ぶことができるのです。
特徴③ 自分の意見も適切に伝えられる
聴くばかりでは、単なる「いい人」止まりになってしまいます。
コミュニケーション能力が高い人は、自分の考えや意見も適切に伝えることができます。
ポイントは、「自分のため」ではなく、「相手との関係性を良くするため」に意見を述べること。
- 感情的にならず、冷静に
- 相手を責めるのではなく、自分の視点として述べる
- 相手の立場を尊重しつつ、率直に伝える
- これができると、周囲から「話しやすい人」「建設的な議論ができる人」と評価され、信頼を集めます。
特徴④ 場の空気を読む力がある
コミュニケーションには、言葉に出ない情報もたくさん含まれています。表情、沈黙、視線、仕草…。
そうした非言語的なサインを敏感にキャッチできる人は、コミュニケーション能力が高いと言えるでしょう。
たとえば、
- 相手が話したそうにしている雰囲気を察して、場を譲る
- 話が行き詰まっている時に、さりげなく話題を変える
- 空気が重い時に、ユーモアを交えて和ませる
- こうした「場の空気を読む力」は、訓練次第で鍛えることも可能です。
- 相手や全体の様子に意識を向ける習慣を持つことが大切です。
特徴⑤ 感情のコントロールができる
どんなに言葉巧みに話せても、感情的になってしまうと台無しになってしまいます。
怒り、不安、苛立ち――。
人間である以上、こうした感情は避けられませんが、コミュニケーション能力が高い人は「感情に振り回されずに対話を続ける力」を持っています。
- 感情が高ぶりそうな時は、一呼吸おく
- 相手の感情に飲み込まれず、自分を客観視する
- 感情を抑圧するのではなく、冷静に伝える
こうした「感情のセルフマネジメント」は、ビジネスの場でも非常に重要なスキルです。
特徴⑥ 相手との違いを受け入れる柔軟さがある
コミュニケーション能力が高い人は、「自分と違う意見」に対してもオープンです。
違いを否定するのではなく、
「なるほど、そういう考え方もあるんだな」と柔軟に受け止めることができます。
特に、多様な価値観が交差する現代社会においては、この柔軟さがますます求められています。
自分の価値観に固執せず、相手を尊重する姿勢が、より深い信頼関係を築くカギになります。
まとめ
ここまで、コミュニケーション能力が高い人の特徴を見てきました。
まとめると、ポイントは次の6つです。
- 相手の話を「聴く力」がある
- 言葉の選び方が丁寧
- 自分の意見も適切に伝えられる
- 場の空気を読む力がある
- 感情のコントロールができる
- 相手との違いを受け入れる柔軟さがある
- これらの特徴は、特別な才能ではありません。
- 意識し、実践し続けることで、誰でも少しずつ磨いていくことができます。
「話すこと」に苦手意識がある人も、まずは「聴くこと」から始めてみましょう。
一歩ずつでも意識を変えていくことで、あなたのコミュニケーション力は確実に高まっていきます。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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