リーダーシップの“型”:昭和型、令和型、他には?

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リーダーと一口に言っても、その在り方は実に多様です。昭和的なカリスマ型から、令和時代の共感型リーダーまで、時代や組織の文化によって求められるリーダー像は変化しています。今回は「どんなリーダーの型があるのか?」を整理し、それぞれの強みや弱みを言語化していきます。あなた自身、あるいは身近な上司はどのタイプに当てはまるでしょうか?

あなたはどんなタイプのリーダー?

リーダーもいろんなタイプがあっていいと思います。しかし同時に、組織や周囲が求めているリーダー像があります。自分のスタンスを持つことは大事ですが、まわりが求めているリーダー像を知ることも必要です。一つの振り返り参考材料としてご覧ください。

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1. 昭和的カリスマ型リーダー

強い信念とビジョンを掲げ、「俺についてこい」と部下を引っ張るタイプです。命令型・トップダウンのスタイルで組織を動かす傾向が強く、行動や姿勢でリーダーシップを示します。

特徴
・強い意志と明確なビジョンを持ち、部下をグイグイ引っ張るタイプ
・トップダウンで物事を進める
・「背中で語る」「文句を言わずについてこい」というスタンス

メリット
・方向性がブレず、スピード感がある
・意思決定が早く、危機に強い

デメリット
・多様性や個別性を尊重しにくい
・若手社員がついてこない可能性も

活かせる場面
・短期で結果を出す必要があるプロジェクト
・混乱期の組織立て直し

2. 令和型共感リーダー

メンバー一人ひとりに寄り添い、心理的安全性を大切にする「共感力重視型」です。上司と部下という上下関係よりも、フラットなチーム感を重視し、丁寧な対話で信頼関係を築いていきます。

特徴
・対話を重視し、メンバー一人ひとりの意見や感情に寄り添う
・心理的安全性を大切にする
・上下関係よりも「チームの一員」として振る舞うことが多い

メリット
・メンバーの主体性や創造性が育ちやすい
・離職率が低く、風通しの良い組織文化を育てられる

デメリット
・意思決定が遅くなる場合がある
・リーダーの“強さ”が見えにくく、信頼を得るのに時間がかかる

活かせる場面
・新規事業の立ち上げや、若手中心のプロジェクト
・アイデアやイノベーションを求められる環境

3. 物静かな支援型リーダー

前に出るよりも、チームを後方から支えるタイプ。あえて目立たず、観察力や傾聴力を活かして、必要なときに適切なフォローを行います。安心感を与える存在として信頼されやすい傾向があります。

特徴
・自ら前に出るより、裏方としてチームを支える
・一人ひとりをよく観察し、的確なサポートを提供する
・言葉は少なめだが、聞き上手で安心感がある

メリット
・信頼関係を丁寧に築ける
・チームが“自走”しやすい環境を整えられる

デメリット
・外部への存在感が薄く見えがち
・意思表示が控えめで誤解される可能性も

活かせる場面
・成熟したチームの維持・強化
・専門性の高いメンバーが揃う職場

4. 発信型メッセージリーダー

自分の考えやビジョンを積極的に発信し、言葉の力で人を導くタイプです。社内だけでなく、SNSなどを通じて社外へのメッセージ発信も行い、共感と信頼を集めるリーダーです。

特徴
・SNSや社内メディアを活用し、積極的に情報を発信する
・言語化力に優れ、組織の方向性を“言葉”で示す
・理念や価値観を可視化することで、共感を呼びやすい

メリット
・メンバーの意識を一つにまとめやすい
・社外からの信頼・ブランディングにもつながる

デメリット
・言葉ばかりが先行し、実行力とのギャップが生まれることも
・炎上リスクもあるため、発信には注意が必要

活かせる場面
・組織文化の浸透や価値観共有が求められる時
・変革期における方向性の再定義

5. プレイングマネージャー型リーダー

現場で実務を行いながら、同時にチームを率いるハイブリッド型リーダーです。口だけでなく「自分もやる」ことで背中を見せ、部下の信頼を得るスタイルが特徴です。

特徴
・自らも現場で働きながら、リーダーとしてチームを導く
・理論より実践で示すタイプ
・「俺もやっているから、君たちも頑張ろう」が基本スタンス

メリット
・メンバーとの距離が近く、信頼されやすい
・実務理解が深く、的確な指示ができる

デメリット
・リーダー自身が多忙になりすぎてしまう
・俯瞰的な視点が持ちにくくなる

活かせる場面
・小規模チームやスタートアップなど、実働が求められる環境
・職人型の組織文化において有効

6. ファシリテーター型リーダー

チームの中で主導権を握るというよりも、対話を促進し合意形成をサポートする調整型リーダー。自らの意見を押しつけるのではなく、多様な声をつなぎ、全体をまとめていきます。

特徴
・意思決定や方針はチームで議論して決めるスタイル
・リーダーは議論を整理し、合意形成を助ける役割
・進行役・調整役としての力に長ける

メリット
・納得感のある意思決定ができ、チーム内の摩擦が少ない
・多様性を活かしたチーム運営ができる

デメリット
・強いリーダーシップを求められる場面には向かない
・メンバーに自律性がないと機能しづらい

活かせる場面
・複数部署や関係者との調整が必要なプロジェクト
・多様なバックグラウンドのメンバーが集まるチーム

まとめ:自分らしい“型”を活かし、柔軟に切り替える

リーダーにとって大切なのは、「どの型が正しいか」ではなく、「自分やチームに合った型は何か?」を理解することです。また、状況によってリーダーシップの型を切り替える柔軟性も重要です。時代が変わっても、「人を導く」という本質は変わりません。あなた自身のスタイルを見つけるヒントになれば幸いです。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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