その企画・その商品が売れない本当の理由~価値が言語化できてない!

サービス資料をダウンロードする> 研修導入に興味のある方はこちら>

シェアする

多くの経営者や企画担当者が「良い商品なのに売れない」と悩んでいます。熱意を持って開発した商品、工夫を凝らしたサービスが市場で評価されないとき、何が足りないのでしょうか?

結論、それは「その企画」「その商品」が悪いのではなく、それらの価値が伝わっていないからです。そして価値が伝わらないのは、営業努力やSNS拡散の問題ではなく、「価値の言語化」の問題です。

価値を言語化できれば、顧客が興味を持ってくれます。価値が分からない商品サービスをいくらSNSに投稿しまくっても、興味は持ってもらえません。

ありがちな間違い:これは価値ではありません

多くの企業が陥る罠は、自社が「価値」だと思っているものが、実は顧客にとっての価値になっていないことです。以下に典型的な例を挙げます:

  1. 素材や技術の強調:「この商品には○○という成分が入っています!」「希少価値の高い材料を使っています!」と訴求しても、相手が欲しいのはその素材や技術ではありません。
  2. 自分目線の売り込み:顧客の立場に立っているつもりでも、実際には「うちだけの特別な技術」「他社にはない独自の製法」など、自社視点で語っていませんか?
  3. 曖昧な表現:「快適さ」「便利」「使いやすい」などの言葉は、具体的に何を指しているのでしょうか?何も表していない言葉では、顧客の心は動きません。

マーケットリサーチの落とし穴

「顧客の声を聞いて商品開発をしているのに売れない」という悩みを抱える企業は少なくありません。しかし、従来型のマーケットリサーチには重大な問題があります。

顧客アンケートやグループインタビューを実施しても、顧客は自分が本当に欲しいものを言語化できていないのです。ハーバード大学の研究によれば、人間の意識の95%は言語化されておらず、多くの顧客は「なんとなくそう思う」レベルでしか自分のニーズを認識できていません。

例えば「どんな商品が欲しいですか?」と尋ねれば、ヘンリー・フォードの言葉の通り「より速い馬が欲しい」と答えるでしょう。しかし本当に必要だったのは「自動車」だったのです。

顧客の言葉をそのまま受け取って商品化しても、その顧客自身が「なんか違う」と感じて購入しないことがあります。これは顧客が自分の真のニーズを95%も言語化できていないからです。本人も気づいていない潜在的な変化への欲求を見抜き、それを言語化できる企業だけが市場で成功します。

真の価値とは「変化」である

顧客が本当に求めているのは「変化」です。つまり、あなたの商品やサービスを通じて「変化を提供できれば、その商品サービスは価値を持つ」のです。

価値を言語化するフォーマット:「これを使うことで、Aだった状態がBになる」

    これだけです。これだけで「価値」を表現できます。ライザップ社のCMを思い出してください。ライザップが提供するトレーニングの内容、料金、設備などは一切伝えていません。単に「変化」を打ち出しただけです。これくらいシンプルなものなのです。

    重要なのは、変化を語るときには必ず「ビフォア&アフター」の両方を示すことです。「気分がよくなる」だけでは不十分で、「どんな不快感から解放されるのか」も伝えなければなりません。

    あなたの商品の「価値」を見つけるワーク

    以下のステップで、あなたの商品・サービスの真の価値を見つけましょう:

    ステップ1:素材・技術から変化へ

    あなたの商品の特徴(素材、技術など)をリストアップし、それぞれについて「だとしたら、どういう変化を相手に起こせる?」と問いかけてみましょう。

    例:「無農薬の野菜にこだわっている」→「体内の毒素を排出し、健康的な体を取り戻せる」

    ステップ2:顧客視点で変化を具体化

    「この商品を使った顧客はどんな状態から、どんな状態に変わるのか?」を具体的に書き出しましょう。

    例:「忙しくて自炊できず健康に不安を感じていた人」→「手間をかけずに栄養バランスの取れた食事ができ、健康に自信が持てる人」

    ステップ3:感情変化を言語化

    「この商品を使うことで、顧客はどんな感情を得られるか?」を考えましょう。

    例:「毎日の食事の準備に対する罪悪感や不安」→「自分と家族の健康を守れているという安心感と達成感」

    言語化のチェックポイント

    最後に、あなたの価値の言語化が適切かチェックしましょう:

    • 具体的な「変化」を示していますか?
    • ビフォア&アフターの両方を伝えていますか?
    • 顧客が本当に欲しがる変化ですか?
    • 自分一人では達成できない変化ですか?

    価値が適切に言語化されれば、同じ商品でも顧客の反応は劇的に変わります。売り上げが3倍以上になった例も珍しくありません。今日から「素材」ではなく「変化」を語ることで、あなたの商品の真の価値を世に問いましょう。

    この記事を書いた人

    木暮太一 写真

    木暮太一

    (一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
    14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

    お問い合わせ

    さまざまなビジネスシーンでお悩みのことはありませんか?
    個人向けに3万人以上、法人向けに200社以上指導した
    言語化メソッドと経験を用いて、御社のお悩みを解決します。
    まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

    お電話でのお問い合わせはこちら

    03-3542-3139

    【受付時間】平日 9:00~18:00