
やらなければいけないことはたくさんあるはずなのに、毎朝オフィスに着くと「今日は何から始めればいいんだろう?」と戸惑ってしまいます。そういう人は意外とたくさんいますね。そして気づけば、「ひとまずメールチェックしよう」から始まり、そのメールの返信や打ち合わせばかりで一日が終わってしまう。
結局、今日も目標を達成するための行動は何もできずに終わります。
なぜこうなってしまうのでしょうか? そしてどうすれば改善できるのでしょうか? 今日はぼくが実践している言語化ノウハウを活用した効果的なToDo整理法を紹介します。
なぜ「やるべきこと」が見えなくなるのか?
そもそもオフィスに着いた瞬間にやることが分からなくなるのは、目標やタスクが曖昧で「具体的でない」からです。ぼくがいつも強調しているのは「言語化」、つまり物事を具体的な言葉に置き換える重要性です。言語化は「うまい表現をすること」と思われがちですが、仕事のおいて必要なのは「言語化とは明確化である」という認識です。
ぼんやりした目標を抱えているだけでは、人間の脳は行動を起こすきっかけを見つけられません。言語化(明確化)しなければいけないわけですね。
ステップ1:「ために思考」を使って、漠然とした目標を具体的に書き出す
まず、頭の中でモヤモヤとしている目標を具体的な言葉にして書き出します。「売上を上げる」というぼんやりしたものではなく、「来月末までに売上を10%伸ばすため、新規顧客を5件獲得する」というように数字や期限を明確に入れます。こうすると自分が取るべき行動が明確になってきます。
重要なのは、数字を入れることと合わせて、「~~~のために~~~をする」という「ために思考」で整理することです。
目標を達成するために今日何をする?
売上を増やすために今日何をする?
新規のアポを増やすために、何を準備する?
など、「ために」で考えればやるべきことがたくさん見えてきます。
ステップ2:「ために思考」で、目標をさらに細かく分解する
具体化した目標を、さらに小さいタスクに分解します。ここでも「ために思考」を使います。
「売上を増やすために、新規顧客を5件獲得する」と考えても、まだ具体的な行動にはつながりません。まだまだあいまいです。なので、その後も「ために」を続けます。
新規顧客を5権獲得するために何をする? と自問します。そうすると、たとえば「見込み客のリストを作成する」「A社さんに提案メールを書く」「C社さんに電話でアポを取る」といった具体的なアクションプランが出てきやすくなります。実際に手を動かせるレベルまでこの「ために」を繰り返します。
ここでのコツは、「次に自分が取るべき具体的な行動がはっきりするまで」言語化し続けることです。
ステップ3:ここまで来たら、タスクに優先順位をつける
分解したタスクが揃ったら、次に優先順位を決めます。逆に言えば、ここまで整理できるまで優先順位をつけてはいけません。優先順位を考えるのは「ToDo」が明確になった後です。
そして、「緊急度」と「重要度」を基準に4つに分類することで、自分が今どのタスクに取り掛かるべきかが見えてきます。優先順位がつけば、迷わず最初に手をつけるべきことが明確になります。
ステップ4:具体的なToDoリストを作る
優先順位に沿って毎日のToDoリストを作ります。ここでも「言語化」が必要になります。ToDoリストには、「何をやるのか」だけでなく、「いつ」「どのくらいの時間で」「どこまでやるか」、「どんな方法でやるのか」まで具体的に書き込みます。
例えば
「10:00~10:30 見込み客リストを整理する。そのままチームメンバーに共有できるくらいまでやる。Excelではなく共有できるスプレッドシートにまとめる」
のように、具体的に書き出します。明確になればなるほど、脳がその行動を取る準備が整います。
ステップ5:毎日の振り返りと調整を行う
一日の終わりには、その日のタスクの進み具合をチェックします。予定通り進まなかった部分も具体的に言語化し、「アポの電話に予想以上に時間がかかったから、明日はその時間を増やす」といったように調整していきます。
言語化する本当のメリットとは?
ぼくが言語化をすすめる最大の理由は、ただ単にToDo整理が上手になるだけでなく、自分がやるべき行動の意義を深く理解できるからです。「なぜこの行動を取る必要があるのか?」を明確に言語化できるようになると、仕事へのモチベーションも自然と高まっていきます。
言語化を習慣にすると仕事も人生も変わる
この方法を日々の習慣にすると、自然と仕事は整理され、生産性が飛躍的に向上します。モヤモヤと曖昧にしていた課題が、具体的な行動として目の前に現れ、毎朝「今日やるべきこと」がはっきりします。
もし毎日オフィスに行くたびにやることが見つからないと感じているなら、まず今日からぼくの言語化ノウハウを試してみてください。その一歩が、あなたの働き方を確実に変えていくはずです。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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