
「1on1やってるけど、正直いって微妙…」という声、かなり多いんですよね。ぼくも100社以上の1on1を見てきましたが、成果を出せている企業は少ないです。形だけの1on1はほぼ確実に失敗します。人事やリーダーのみなさんが口をそろえて言うのが「がんばってやってみたけど、実感できる効果がなかった」「会話の数が増えただけ」「みんなが余計忙しくなった」など、否定的なコメントでした。
でも、ちょっと待ってください。その1on1、本当に「合わない」んじゃなくて、単に”効く1on1″になってないだけかもしれません。今日は「効果が出ない1on1」の裏にある本質的な問題と、明日から使える具体的な解決策をシェアします。
なぜあなたの会社の1on1は機能していないのか?3つの超シンプルな理由
① 「なぜやるの?」が共有されていない
正直言って、多くの会社の1on1は目的がフワッとしすぎています。「コミュニケーションのため」とか言ってますが、それじゃあ普通の雑談と変わりません。
ぼくがコンサルで入った某IT企業では、上司は「部下の進捗確認の場」と思い、部下は「成長のヒントをくれる場」と思っていました。そしてお互いに、毎回お互いに話がかみ合わずモヤモヤが溜まっていました。目的の言語化なしに1on1の成功はありえません。
② 上司が「聴く」ではなく「説く」に走っている
あるあるなのが、部下が話し始めて30秒で上司が「それはね、こうすればいいんだよ」と解決策を提示するパターン。
これ、対話じゃなくてミニ講義ですよね。調査によると、効果的な1on1では上司の発言量は全体の30%以下です。あなたの会社の1on1はどうですか?
③ 部下が自分の課題を言語化できていない
「最近どう?」と聞かれて、深い回答ができる人はほとんどいません。だって普段から自分の状態や課題を言語化する訓練をしていないからです。
言語化されていない悩みや課題は、1on1の場に出てこないんです。結果、「特に悩みはないです」で終わる残念な1on1になります。
今日から実践! 1on1を劇的に変える3つの「言語化」アプローチ
改善策① 「この1on1で何を実現したいのか」を紙に書き出す
曖昧な目的は、明確な言葉にすることで変わります。
例えば、「相互理解を深め、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作る」という抽象的な目的を、 「メンバーが直面している障壁を特定し、具体的な行動計画を作る」という具体的なアウトプットに再定義するだけで、1on1の質は劇的に変わります。
そもそも「1on1」は、仕事のために実施するものです。少しドライな言い方になってしまいますが、「メンバーと仲良くなること」は1on1の目的ではありません。仲良くならずとも、メンバーがやるべきことが明確になり、仮にうまくいかないところがあればその理由を明確にし、新しい行動プランを作ることが大事です。そもそもの目的を忘れないようにしたいですね。
改善策② 上司は「質問力」を鍛える具体的なトレーニングを
単発の研修だけでは変わりません。ぼくのクライアントで成功した会社では、上司に「1on1質問リスト」を配布し、毎回3つは新しい質問を試すというルールを設けました。
例えば:
- 「その課題に対して、1か月でできること・1週間でできること・1日でできることを挙げるとしたら、それぞれ何をするだろう?」
- 「ゴールを達成するために、何ができるかブレストで10個出してみようよ。私も一緒に考える。」
- 「そもそもこの商品が提供する価値は何だと思う?」
- こういったゴールを意識したアクションを導き出す質問を意識的に使うことで、対話の深さは格段に上がります。
改善策③ 部下の「言語化スキル」を鍛える仕掛けを用意する
言語化は筋トレと同じで、継続的な訓練が必要です。
ぼくがおすすめするのは、比較とランキングです。例えば:
- [比較]
- 「最近、1年前と今を比べると、何ができるようになった?」
- 「他社のライバルサービスと、自社のサービスを比べると、どの点が勝っていて・どの点が負けていると思う?」
- [ランキング]
- 「チームで改善したいと思っていることTop3は?」
- 「自分の成長を阻害している要因のTop3は何だと思う?」
- こうした問いを事前に投げかけておくだけで、部下の思考は整理され、1on1の質は飛躍的に高まります。
本質は「対話の質」にある——1on1を変えるならここから始めよう
「うちの会社には1on1は合わない」
そう思う前に、「言語化」からアプローチし直してみてください。ビジョン(目的、ゴール)・アクション(行動リスト)、コミュニケーション——これらが明確に言語化されていれば、どんな組織でも1on1は機能します。
ぼくが見てきた100社以上の事例からも、1on1の成否を分けるのは「対話の質」であり、その質を高めるのは「言語化力」なんです。
いかがでしょうか? もし今の1on1に課題を感じているなら、まずは上記の3つの改善策から試してみてください。
形だけの1on1から、成長を加速させる1on1へ。その一歩を、今日から踏み出しましょう。
【特別案内】1on1の言語化力を高める「対話革命プログラム」
弊社では、1on1の効果を根底から変える「言語化支援プログラム」を提供しています。
- 上司向け:質問設計と「聴く力」強化トレーニング
- 部下向け:課題発見と言語化スキル向上ワークショップ
- 組織向け:1on1を文化として定着させるための仕組みづくり
- 期間限定で無料診断も実施しています。あなたの会社の1on1がどこでつまずいているのか、プロの視点から分析します。
効果の出ない1on1にモヤモヤしているなら、ぜひ一度ご相談ください。言語化から始める1on1改革で、チームの力は確実に変わります。
この記事を書いた人

木暮太一
(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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