なぜキャリア開発・定着支援研修が必要なのか?

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「自分が何をしたいか分からない」という悩み

最近、周りの同世代や少し年上の先輩たちと話していると、よく出てくるのが「自分が何をしたいのか分からない」という話です。ぼく自身も20代後半になって、この漠然とした不安を感じることが多くなりました。転職を考えてみても、結局「で、何がしたいんだっけ?」となってしまいます。

そんな中で、最近注目されているのが「キャリア開発・定着支援研修」というものです。要するに、自分のキャリアについて「言葉にする」ことを重視した研修です。なぜこんな研修が必要になったのか、実際にどんな効果があるのかを調べてみたので、同じような悩みを持つ人の参考になればと思います。

働き方が多様化して選択肢が増えた分、逆に「自分は何をしたいのか」という軸を見つけるのが難しくなっています。上司や人事の人に相談しようにも、自分の希望を具体的に伝えられなければ、適切なアドバイスももらえません。だからこそ、自分の考えを整理して「言語化」することが、今の時代には特に重要になってきているんだと思います。

なぜ「言語化」が必要なのか?

若手や中堅社員の離職理由を見ると、「やりたいことが分からない」「将来が見えない」といった、なんとなくモヤモヤした理由が上位に来るそうです。ぼくも転職エージェントの人と話したとき、「具体的にどんな仕事がしたいんですか?」と聞かれて、うまく答えられなかった経験があります。

でも考えてみれば当然で、頭の中でぼんやりと考えているだけでは、自分でも何を求めているのか分かりません。友達に相談するときも「なんか今の仕事、違うんだよね」みたいな曖昧な表現になってしまいます。

言語化の力というのは、まず自分自身の考えを整理することから始まります。潜在的に感じていた欲求や目標が、言葉にすることで初めて明確になります。そして、それができれば、上司や同僚、家族に対しても自分の想いを具体的に伝えられるようになります。

ぼく自身の経験でも、転職活動で「なぜこの仕事をしたいのか」を言語化する過程で、自分が本当に大切にしたい価値観が見えてきました。それまでは「なんとなく今の環境を変えたい」程度だったのが、「チームで何かを作り上げる過程を大切にしたい」「結果だけでなくプロセスも評価される環境で働きたい」といった具体的な希望に変わりました。

実際の研修ではどんなことをするの?

キャリア開発・定着支援研修で実際に行われている内容を調べてみると、主に3つのポイントがあるようです。

最初に行うのが、徹底的な自己分析です。自分の強みや弱み、好き嫌い、大切にしたい価値観を洗い出して、それを言葉にしていく作業です。ワークショップ形式で進めることが多いそうです。ぼくも一人でやってみたことがありますが、他の人と一緒にやったほうが、自分では気づかない部分を発見できそうだと感じました。

次に、具体的なキャリア目標を設定します。「3年後はこうなっていたい」「5年後にはこんな仕事をしていたい」といった、期間を区切った目標を言語化します。これまでぼくは「いつかは独立したい」みたいな曖昧な目標しか持っていませんでしたが、「35歳までにマネジメント経験を積んで、40歳で独立する」といった具体的な目標に変えることで、今やるべきことが見えてきました。

そして最後に、自分の目標を周囲に伝える練習をします。せっかく言語化できても、それを適切に相手に伝えられなければ意味がありません。特に上司との面談や同僚との雑談の中で、自然に自分のキャリア観を伝えられるようになると、思わぬサポートを得られることがあります。

実際に効果はあるのか?

この手の研修の効果について調べていると、参加した社員のモチベーション向上や離職率の低下といった結果が報告されています。理由を考えてみると納得できる部分が多いです。

キャリアの方向性が明確になることで、日々の仕事に意味を見出しやすくなります。「今の仕事が将来にどうつながるのか」が分かれば、多少辛いことがあっても頑張れます。ぼく自身も、現在の仕事が「将来の独立に向けたスキル習得の場」だと捉えるようになってから、取り組み方が変わりました。

会社側にとっても、社員が自分のキャリアについて明確に語れるようになることで、人材配置や育成方針を立てやすくなります。「この人はこういう方向性を目指しているから、こんな経験を積ませよう」といった具体的な検討ができるようになります。

さらに、組織全体のコミュニケーションも活性化します。お互いのキャリア観が分かることで、チーム内での協力関係も築きやすくなります。「あの人は将来マネジメントを目指しているから、今度のプロジェクトではリーダー役をお願いしてみよう」といった自然な役割分担も生まれやすくなります。

個人でもできることから始めてみる

こうした研修を会社で導入してもらえるのが理想ですが、個人でもできることはたくさんあります。まずは自分一人で、または信頼できる友人と一緒に、自己分析から始めてみるのがいいと思います。

ぼくが実際にやってみて効果的だったのは、「それをやったら、どんな変化が起こるのか?」を3回繰り返して問いかける方法です。例えば「転職したい」と思ったら、「転職したら、どんな変化が起きるか?」を考えます。そして「給料が上がる」と思ったら、「給料が上がったら、どんな変化が起こるのか?」を続けます。これを3回以上繰り返すんです。すると、表面的な不満の奥にある本当の価値観が見えてきます。

また、定期的に自分のキャリア目標を見直すことも大切です。ぼくは3ヶ月に一度、自分の目標設定を振り返る時間を作っています。社会情勢や自分の状況が変われば、目標も調整が必要になります。

キャリアの言語化は、一度やって終わりではなく、継続的に取り組むべきプロセスだと感じています。自分の想いを言葉にすることで、人生の方向性がより明確になり、周囲との関係も良くなります。同じような悩みを持つ人がいたら、ぜひ一度試してみてください。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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