否定しない!説教しない! 部下との信頼関係構築コミュニケーション

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現代の組織運営において、上司と部下の良好な関係性がチーム全体のパフォーマンスを大きく左右することは、もはや「常識」です。特に「相手を否定せずに接する」というコミュニケーションスキルは、部下との信頼関係を築く上で最も重要な要素の一つです。

多くの企業が実施している部下との関係構築を目的としたコミュニケーション研修は、確かに管理職のコミュニケーション意識を向上させる効果があり、ぼくもその基本的な方向性には大いに賛同しています。しかし、研修で学んだ理論を実際の日常業務で活用する際に、多くの管理職が「具体的にどう話せばいいのか分からない」という壁にぶつかっているのも事実です。そこで今回は、従来のコミュニケーション研修のメリットと、追加で検討したい対策について解説します。

従来のコミュニケーション研修の価値と効果

企業で広く実施されている部下との関係構築を目的としたコミュニケーション研修は、管理職の意識改革において確実に成果を上げていると感じています。特に以下の点において、その効果は明確に現れています。

対話重視の姿勢が定着している
従来の一方的な指示出しから、部下との双方向コミュニケーションを重視する姿勢への転換が図られます。定期的な1on1ミーティングの導入や、部下の意見を積極的に聞く習慣が身につくことで、上司と部下の距離感が大幅に改善されるケースを多く見てきました。

相手の立場に立った思考が習得できている
ロールプレイングや事例検討を通じて、部下の視点で物事を考える能力が向上します。「なぜ部下がそのような行動を取るのか」「どのような背景があるのか」を理解しようとする姿勢が身につき、以前よりも部下に対する理解が深まったという声をよく聞きます。

フィードバックスキルの基礎が習得できている
建設的なフィードバックの与え方や、部下のモチベーションを下げずに改善点を伝える方法について基本的な知識を習得できます。「叱る」から「育てる」へのマインドシフトが起こり、部下との関係性改善につながっています。

信頼関係構築の重要性を認識するようになっている
部下との信頼関係がチーム全体の生産性や創造性に与える影響について理論的に理解し、関係構築への投資意識が高まります。短期的な成果だけでなく、中長期的な関係性の価値を認識する管理職が増えています。

さらなる向上への期待:実践における課題

これらの従来のコミュニケーション研修は意義も効果もあり、継続した方がいいと感じています。しかしその上でぼくが現場で感じるのは、「知識と実践の間にあるギャップ」です。研修で学んだコミュニケーション理論を、実際の部下との日常的なやり取りでどう活かすかという点で、多くの管理職が困っているのが現状ですよね。

場面に応じて、具体的にどうすればいいのかがまだ不明確
「相手を否定しない」という原則は理解できても、実際に部下と向き合った時に「具体的にどんな言葉で話せばいいのか」が分からないという声を頻繁に聞きます。特に、業務上の問題点を指摘する場面や、期待とのギャップを伝える場面において、この悩みは深刻になります。

部下の個性に合わせて関係構築をしたいが、どうしていいのかわからない
研修では一般的なコミュニケーション手法を学びますが、実際の部下は一人ひとり性格も経験も価値観も異なります。内向的な部下、積極的な部下、経験豊富な部下、新人の部下など、それぞれに最適な関係構築方法は異なるはずです。しかし、その個別対応の具体的手法については十分に扱われていません。

継続的に実行したい。でも続けられない
良好な関係は一朝一夕には築けません。日々の小さなコミュニケーションの積み重ねが重要ですが、研修後の継続的な実践サポートや、関係構築の進捗を確認する仕組みが不十分です。せっかく学んだスキルも、継続的な練習なしには定着しません。

言語化プログラムによる実践的関係構築力の強化

これらの課題を解決し、より実践的な部下との関係構築力を身につけるために、ぼくが提案するのが「言語化プログラム」です。このプログラムは、従来のコミュニケーション研修の理論的基盤を活かしながら、日常業務で即座に活用できる具体的なスキルの習得を支援します。

シーン別コミュニケーション表現を習得する
「部下のミスを指摘する時」「新しい挑戦を促す時」「部下の相談に乗る時」「期待を伝える時」など、具体的な場面において実際に使える表現パターンを体系的に学習します。理論ではなく、明日から使える実用的な話し方を身につけることで、部下との日常的なコミュニケーションが格段にスムーズになります。

部下のタイプ別に関係を構築する
部下一人ひとりの性格特性、経験レベル、価値観を分析し、その人に最も効果的な関係構築アプローチを設計します。慎重派の部下には段階的な信頼構築を、行動派の部下には直接的な対話を、ベテラン部下には対等な関係性をベースにした接し方を、といったように個別最適化された手法を習得できます。

日常的に、いつ・何を言えばいいのかを言語化する
挨拶の仕方、雑談の始め方、部下の変化への気づきの伝え方など、日常的な小さなコミュニケーションを通じた関係構築活動を言語化し、意識的に実践できるようになります。何気ない日常のやり取りが、実は関係構築において最も重要であることを実感できるプログラムです。

継続的な関係性改善のサイクルを作る
プログラム期間中は、実際の部下との関係性の変化を定期的に振り返り、より効果的なコミュニケーション方法を継続的に改善していきます。一度の学習で終わらせるのではなく、関係構築のスキルが習慣として定着するまで、継続的にサポートを提供します。

まとめ:理論と実践の融合による真の関係構築力

部下との良好な関係構築は、現代のマネジメントにおいて最も重要なスキルの一つです。従来のコミュニケーション研修が提供してくれる「対話重視の姿勢」「相手視点での思考」「フィードバックスキルの基礎」といった要素は非常に価値があり、ぼくもその重要性を強く支持しています。

しかし、それらの理論的知識を実際の部下との関係構築に活かすためには、具体的な言語化スキルが不可欠です。どんなに良い意図を持っていても、それを適切な言葉として表現できなければ、部下に真意は伝わりません。

言語化プログラムは、従来のコミュニケーション研修を否定するものではありません。むしろその優れた理論的基盤の上に、実践的な表現技術を積み重ねることで、より完成度の高い関係構築力の習得を目指すものです。

ぼくは、理論的理解と実践的スキルの両方が揃って初めて、部下から真に信頼され、チーム全体の力を最大限に引き出せるリーダーになれると考えています。部下との関係構築への取り組みに、ぜひ言語化の視点も取り入れていただきたいと考えています。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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