リーダーシップ研修のベースになるのが「言語化スキル」

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次世代リーダーの育成、大事ですよね。そして最近、多くの企業でリーダーシップ研修が行われています。
管理職への昇進時や次世代リーダー育成プログラムとして実施されているリーダーシップ研修は、確かに参加者の意識向上や基本的なマネジメントスキルの習得に大きな成果を上げています。しかし、ぼくが様々な企業の研修現場を見てきた中で感じるのは、多くの研修が「知識の習得」で終わってしまい、実際の現場での行動変容につながりにくいという課題です。

さらに効果を高めるためには、学んだ内容を自分なりに咀嚼し、言語化して実践に移せる力が必要なのではないでしょうか。今回は、一般的なリーダーシップ研修の価値を認めつつ、より深い効果を生み出すために必要な要素について考えてみたいと思います。


リーダーシップ研修のメリット

ここ数年、リーダーシップ研修の重要性はますます高まっています。組織の変化が激しい現代において、メンバーを導き、チームをまとめ上げる力は経営の根幹を支える重要なスキルです。

一般的なリーダーシップ研修では、コミュニケーション技法、目標設定の方法、部下のモチベーション管理、意思決定プロセスなど、リーダーとして必要な基本的な知識とスキルが体系的に学べます。これらの内容は長年の研究と実践によって裏付けられており、確実に参加者の意識レベルを向上させています。

特に注目したいのは、ケーススタディやロールプレイングを通じて、実際のビジネスシーンを想定した疑似体験ができることです。普段の業務では経験しないような困難な状況に対処する練習を積むことで、参加者は自信を持ってリーダーシップを発揮できるようになります。

また、同じ立場の他の管理職との交流も大きなメリットです。他社や他部門のリーダーと悩みを共有し、成功事例を学び合うことで、視野が広がり、新たな気づきを得られます。これは座学だけでは得られない、研修ならではの価値だと思います。

さらに効果を高めるために必要な視点

しかし、これらの優れたリーダーシップ研修にも、100点満点ではありません。さらに効果を高めるための改善点があります。

多くの研修では、「こうすべき」「これが正解」という形で知識が提供されますが、参加者が自分の職場環境や部下の特性に合わせてどう応用するかという部分が曖昧になりがちです。研修で学んだリーダーシップ理論を知識として理解しても、実際の現場で「なぜそうするのか」「自分の場合はどう応用すればいいのか」を明確に説明できなければ、持続的な行動変容には結びつきません。

例えば、「部下のモチベーションを上げるには承認が大切」という知識を学んでも、自分のチームメンバー一人ひとりにとって最も効果的な承認方法は何か、なぜその方法が有効なのかを言語化できなければ、表面的な対応に終わってしまいます。

また、リーダーシップスタイルの使い分けについても同様です。状況に応じてコーチング型、指示型、支援型などを使い分ける必要があることは学びますが、「今、この瞬間に、この部下に対して、なぜこのスタイルを選択するのか」を明確に言葉で示せる人は決して多くありません。

「言語化プログラム」が大きな助けになる

この課題を解決するのが「言語化プログラム」です。

言語化プログラムでは、リーダーシップ研修で学んだ内容を、参加者が自分の言葉で説明できるレベルまで深く理解することを目指します。単に「こうすべき」を覚えるのではなく、「なぜそうするのか」「自分の場合はどう実践するのか」「どんな効果を期待しているのか」を明確に言語化することで、知識が確実に行動に結びつきます。

具体的には、研修で学んだケーススタディを自分の職場の状況に置き換えて再構築し、その対応策を論理的に説明するワークを行います。「もし自分の部署でこんな問題が起きたら、どのリーダーシップスタイルを選択し、なぜその判断をしたのか、どんな言葉で部下に接するのか」を具体的に言語化することで、研修内容が実践的な行動指針に変わります。

さらに、自分のリーダーシップに対する信念や価値観も言語化します。「自分はどんなリーダーでありたいのか」「なぜそのスタイルが自分に合っているのか」「チームにどんな影響を与えたいのか」を明確に言葉にすることで、一貫性のあるリーダーシップを発揮できるようになります。

この言語化のプロセスを通じて、参加者は研修で学んだ知識を自分なりに咀嚼し、現場で実践できる具体的な行動計画に落とし込むことができます。また、部下や同僚に対しても、自分の考えや判断根拠を明確に伝えられるようになり、組織全体のコミュニケーションの質も向上します。

言語化を定例会議や1on1で継続的に活かす

言語化プログラムのもう一つの価値は、継続的な学習習慣を身につけられることです。

一度身につけた言語化スキルは、研修後も自分自身で活用できます。日々のリーダーシップ実践の中で起きた出来事を振り返り、「なぜうまくいったのか」「次はどう改善できるか」を言語化する習慣が定着することで、経験から学ぶ力が格段に向上します。

さらに、自分で言語化できた内容をメンバーと共有すれば、共通減としてチーム内に残ります。定例会議や1on1でも共通言語をベースに会話ができるので、より生産性が高まり、同時によりお互いのストレスが減っていきます。

これにより、リーダーシップ研修が一時的なイベントではなく、長期的な成長のきっかけとなり、組織全体のリーダーシップレベルの底上げにつながります。

まとめ

リーダーシップ研修は確かに価値ある投資です。しかし、さらに効果を高めるためには、学んだ内容を自分の言葉で説明し、実践に移せる「言語化」の力が不可欠です。知識の習得から行動の変容、そして持続的な成長へとつなげるために、ぜひ言語化プログラムの導入を検討してみてください。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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