リーダーシップを発揮するために、ぼくらがすべきこと5選

サービス資料をダウンロードする> 研修導入に興味のある方はこちら>

シェアする

「部下が思うように動いてくれない」「チームの士気が上がらない」「離職率が下がらない」。

多くのリーダーがそんな悩みを抱えています。

リーダーシップを向上させるために、よかれと思って「厳しく指導する」「明確な指示を出す」「結果にこだわる姿勢を見せる」といったアプローチを取る方が多いのではないでしょうか。しかし、これらの方法だけでは、部下の主体性を引き出すことは難しく、時として逆効果になってしまうケースも少なくありません。

本記事では、2000社をサポートし累計3万人を指導してきたぼくの経験をもとに、部下のモチベーションを高め、真のリーダーシップを発揮するための実践的な手法をお伝えします。

「強いリーダー」を演じてはいけない

リーダーシップを発揮しようとして、多くの管理職の方が陥ってしまう代表的な間違いがあります。それは「強いリーダー像」を演じようとしてしまうことです。

たとえば、このようなことです↓

常に毅然とした態度を取る 部下に対して常に威厳を保とうとし、弱みや迷いを一切見せない。質問されても即座に答えを出そうとし、「分からない」と言うことを避ける。

一方的な指示出しに終始する 部下の意見を聞くことなく、自分の判断だけで方向性を決定し、それを伝達するだけに留まる。「なぜそうするのか」の説明も省略してしまう。

結果だけを重視して過程を軽視する 目標達成のためなら手段は問わず、部下がどのような思いで取り組んでいるかに関心を示さない。数字や成果だけで評価を行う。

なぜこれらのアプローチが問題なのでしょうか。

第一に、部下との信頼関係が構築されません。一方的なコミュニケーションでは、部下は「上司は自分のことを理解してくれない」と感じ、心理的な距離が生まれてしまいます。

第二に、部下の主体性が育ちません。常に指示待ちの状態になり、自分で考えて行動する力が身につかないのです。これでは組織の成長は期待できません。

第三に、上司自身が疲弊してしまいます。すべてを自分で判断し、コントロールしようとすることで、業務負荷が集中し、結果的にチーム全体のパフォーマンスが低下してしまうのです。

本当に効果的なリーダーシップの発揮方法

では、真に効果的なリーダーシップとは何でしょうか。結果から言えば、それは「部下の能力を最大限に引き出し、チーム全体で成果を上げること」です。

相手の立場に立って考える共感力を身につける

優れたリーダーは、部下一人ひとりの状況や気持ちを理解しようと努めます。

部下の背景を把握する その人がどのような経験を積んできたか、今どのような課題を抱えているか、何にやりがいを感じるかを知ることから始まります。定期的な1on1ミーティングを設け、業務の話だけでなく、キャリアの悩みや将来の目標についても話し合う時間を作りましょう。

感情の変化に敏感になる 部下の表情や言動の微細な変化に気づき、「最近元気がないように見えるけど、何か困ったことはない?」といった声かけができるようになります。これには日頃からの観察力が必要です。

多様な価値観を受け入れる 自分とは異なる考え方や働き方を否定せず、それぞれの良さを認める姿勢を持ちます。「自分ならこうするが、君のやり方も面白いね」といった受容的な態度が信頼関係を深めます。

明確なビジョンを示しながら裁量を与える

部下が迷わずに行動できるよう、方向性を明確にしつつ、やり方は任せるバランスが重要です。

「なぜこの仕事をするのか」を説明する 単に「これをやっておいて」ではなく、「この仕事が会社やお客様にとってどのような価値があるのか」「チーム全体の目標達成にどう貢献するのか」を明確に説明します。タスクの意義と意味を理解することで、部下のモチベーションは大きく向上します。

プロセスに関する選択肢を提供する 目標は明確にしつつ、そこに至る手段については複数の選択肢を提示し、部下自身に選ばせるようにします。「AとBの方法があるが、どちらがやりやすそう?」といった具合です。

失敗を恐れない環境を作る 新しいことにチャレンジするときは必ず失敗のリスクがあります。「失敗してもいいから、まずやってみよう。うまくいかなかったら一緒に改善策を考えよう」という姿勢を示すことで、部下は安心して取り組めます。

継続的なフィードバックとサポート体制の構築

部下の成長を促すためには、タイムリーで建設的なフィードバックが欠かせません。

具体的な行動に対する即座のフィードバック 良い行動を見つけたらすぐに褒め、改善が必要な点があれば早めに指摘します。「先ほどの会議での発言、とても的確だったね」「このレポート、データの分析が素晴らしい」といった具体的な評価を心がけます。

成長のための学習機会を提供する 研修への参加、他部署との連携プロジェクトへのアサイン、メンターとのマッチングなど、スキルアップのための機会を積極的に提供します。部下のキャリア目標に合わせたサポートを行うことが重要です。

定期的な振り返りの実施 月に一度は、目標の進捗状況、困っていること、今後のチャレンジしたいことについて話し合う時間を設けます。この際、上司側も自分のサポートについて部下からフィードバックをもらうことで、双方向のコミュニケーションを実現します。

部下との信頼関係を深める実践テクニック

日常的なコミュニケーションの質を上げる

朝の声かけを習慣化する 毎朝、部下一人ひとりに「おはよう、今日の調子はどう?」と声をかけます。たった30秒の会話でも、相手を気にかけているという気持ちが伝わり、心理的な距離が縮まります。

相手の興味関心に関心を示す 趣味や家族の話など、仕事以外の話題についても覚えておき、「そういえば、息子さんの運動会はどうでした?」といった形で触れてみます。人は自分のことを覚えてくれている人に親しみを感じるものです。

感謝の気持ちを具体的に伝える 「ありがとう」だけでなく、「○○の件で迅速に対応してくれたおかげで、クライアントがとても喜んでいました。あなたの気配りに本当に感謝しています」といった具体性のある感謝を伝えます。

チーム全体のエンゲージメントを高める施策

チームの成功体験を共有する 個人の成果だけでなく、チーム全体で達成した成果について定期的に振り返り、みんなで喜びを分かち合う時間を作ります。「今月は全員の協力のおかげで目標を120%達成できました」といった形で、集団としての誇りを育みます。

メンバー同士の相互理解を促進する チームミーティングで、各自の得意分野や過去の経験について話し合う時間を設けます。お互いを知ることで、自然に協力し合える関係が生まれます。

心理的安全性を重視した環境づくり 「どんな意見でも歓迎する」「間違いを恐れずに発言してほしい」というメッセージを繰り返し伝え、実際にそうした発言があった時には必ず肯定的に受け取ります。特に、相手が「こんなのは言い訳になっちゃうな」と感じているものほど話してもらわないといけません。

ぼくが実際にサポートした企業では、これらの手法を実践することで、離職率が30%減少し、チームの生産性が40%向上したケースもあります。特に印象的だったのは、それまで指示待ちだった部下が、自ら改善提案を持ってくるようになったという変化でした。

まとめ

リーダーシップの本質は、威圧的な態度で部下をコントロールすることではありません。相手を理解し、成長を支援し、チーム全体で成果を上げることです。今回ご紹介した手法の中で、まず一つだけでも明日から実践してみてください。小さな変化の積み重ねが、やがて大きな変革につながります。

特に重要なのは、部下との日常的なコミュニケーションです。毎日の何気ない会話の中に、信頼関係を深めるヒントが隠れています。相手の立場に立って考え、具体的で温かい言葉をかけることから始めてみましょう。

あなたのリーダーシップが変われば、チームの雰囲気も確実に変わります。そして、それは組織全体の成長へとつながっていくのです。

FAQ

Q: 部下が指示に従わない場合、どう対応すればよいでしょうか?
A: まず、なぜ従わないのかの理由を聞いてみることが大切です。理解不足、スキル不足、モチベーションの問題など、原因は様々です。頭ごなしに叱るのではなく、「どこか分からない部分はある?」「何か困っていることはない?」と相手の状況を確認し、一緒に解決策を考える姿勢を示してください。

Q: 厳しく指導することも必要だと思うのですが、どのような場合でしょうか?
A: 安全性に関わる問題や、お客様に迷惑をかける可能性がある場合など、即座に修正が必要な事項については毅然とした態度で指導することも必要です。ただし、その際も感情的にならず、「なぜそれがいけないのか」を論理的に説明し、改善方法を具体的に示すことが重要です。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

お問い合わせ

さまざまなビジネスシーンでお悩みのことはありませんか?
個人向けに3万人以上、法人向けに200社以上指導した
言語化メソッドと経験を用いて、御社のお悩みを解決します。
まずはお気軽にお問い合わせ下さい。

お電話でのお問い合わせはこちら

03-3542-3139

【受付時間】平日 9:00~18:00