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この記事の要点

  • ・言語化スキルとは、明確に考え、明確に指示し、明確に行動する技術のこと
  • ・リーダー向け言語化研修を実施した3社では、実施後4〜6か月のサーベイで「上司から明確に指示・指導を受けられている」が2.8pt→3.6pt(5点満点)に改善するなど、複数の設問でスコアが向上した
  • ・改善が表れやすいのは「期待・指示の明確さ」「上司からの承認・フィードバック」「仕事のやりがい」「理念への共感」に関する設問

 

[実例]言語化研修の効果

言語化研修を実施いただいた企業様から、研修実施後の効果測定結果をいただきたました。言語化スキルを身に着ければ、組織の理念が浸透し、上司から部下への指示が明確になり、メンバーは自分の仕事の意義を実感できるようになります。

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言語化研修とは

言語化研修とは、リーダーやメンバーが「明確に考え、明確に指示し、明確に行動する」技術を身につけるための研修です。指示の出し方、仕事の目的の伝え方、1on1でのフィードバックの仕方など、職場のコミュニケーションを曖昧な言葉から明確な言葉に変えることを目的とします。

エンゲージメントサーベイのスコアが伸び悩む原因の多くは、制度やf福利厚生、待遇ではなく「言葉の曖昧さ」にあります。指示が曖昧であれば部下は迷い、手戻りが増え、仕事の目的が語られなければ作業はやりがいを失います。逆に言えば、リーダーの言葉が明確になるだけで、サーベイの複数の項目は動きます。以下、実際の導入企業3社の事例データを紹介します。

事例1:大手食品会社A社——「指示が伝わらない」が半年で変わった

A社では、メンバーに明確な指示ができるようになることを目的に、リーダー向け言語化研修を2025年度に3回実施しました。研修実施半年後のサーベイ(5点満点)では、次の変化が確認されました。

自分の仕事についてはっきりとわかっている 3.2pt →3.7pt
上司から明確に指示・指導を受けられている 2.8pt →3.6pt
チームメンバーに助けを求めやすい 2.4pt →2.8pt

注目すべきは、研修を受けたのはリーダーなのに、スコアが変わったのは部下側の回答だという点です。
受講したリーダー(40代・女性)は「何を言っても部下が動かず、ストレスを感じていた。研修で自分の伝え方が『不明確』だったことに気づき、習った手法で指示したところ、メンバーが意図通りに動いてくれるようになった」と語っています。

事例2:業務用機器メーカーB社——製造部で「自走する人材」が育った

B社の製造部では、部下のモチベーションを高め、自走する人材を育成することを目的に、2024年度にリーダー向け言語化研修を2回実施しました。研修実施5か月後のサーベイ(100点満点)の変化は次の通りです。

仕事内容や裁量にやりがいを感じている    53pt →78pt
仕事を通じて、自分が成長できていると感じている 58pt →82pt
会社の理念・ビジョン・方針へ共感している  43pt →71pt

やりがい・成長実感・理念共感という、一見「言葉」とは関係なさそうな項目が20〜28pt上昇しています。仕事の目的や会社の方針をリーダーが自分の言葉で語れるようになると、部下にとって作業が「意味のある仕事」に変わるためです。
受講者(50代・男性)は「『動かない部下=やる気がない』と判断していたが、研修で考えが変わった。今では部下が『言わなくても動く人材』になった」と話しています。

事例3:金融サービスC社——「取り調べ」だった1on1が変わった

C社では、1on1で部下の本音を引き出すための言語化研修を2025年度に3回実施しました。研修実施4か月後のサーベイ(5点満点)では、5つの設問すべてで0.8pt以上の改善が確認されました。

仕事の上で、自分が何を期待されているかがわかっている
                       3.5pt →4.3pt
この1週間で、良い仕事を褒められた・認められた 3.2pt →4.0pt
上司や職場の誰かが自分を一人の人間として気にかけてくれている
                       2.8pt →4.0pt
職場で自分の意見が尊重されていると感じる      3.5pt →4.3pt
この6カ月で、職場の誰かが自分の進歩について話してくれた
                        2.9pt →4.1pt

これらはエンゲージメント調査の世界標準であるGallup Q12に対応する設問群です。
受講者(30代・男性)は「私の1on1は『取り調べ』になっていた。部下を認め、しっかりフィードバックする手法を身につけたおかげで、みんなの顔が驚くほど明るくなった」と振り返ります。

3社に共通するポイント

3つの事例に共通するのは次の3点です。
第一に、研修対象はリーダーだが、スコアが改善したのは部下側の回答であること。言語化スキルの効果は「伝えた側」ではなく「受け取った側」に表れます。
第二に、効果は研修実施の4〜6か月後のサーベイで測定できること。
第三に、改善したのは「期待・指示の明確さ」「承認・フィードバック」「やりがい・成長実感」「理念への共感」に関する設問であり、報酬や物理的環境の設問ではないこと。つまり、サーベイのどの項目が低いかを見れば、言語化研修が有効な組織かどうかを事前に判断できます。

よくある質問

Q. エンゲージメントサーベイのスコアが低いとき、言語化研修は有効ですか?

「上司の指示の明確さ」「期待の理解」「フィードバック・承認」「仕事のやりがい」「理念への共感」に関する設問が低い場合に有効です。報酬・待遇や物理的環境への不満が原因の場合は、研修では改善しません。

Q. 効果はいつ、どうやって測定できますか?

3社の事例では、研修実施の4〜6か月後の定期サーベイで前後比較を行い、スコアの改善を確認しています。研修を受けたリーダー本人の自己評価ではなく、部下側のサーベイ回答で測定することがポイントです。

Q. 研修は何回くらい実施するものですか?

事例3社では、年度内に2〜3回の実施で効果が確認されています。1回で終わらせず、実践と振り返りを挟んで複数回行う形式です。

研修のご相談・課題の壁打ち

言語化研修・組織コンサルティングのご相談は、お問い合わせからお申し込みください。「まだ何を相談していいかわからない」という段階の壁打ちも受け付けています。

この記事を書いた人

木暮太一 写真

木暮太一

(一社)教育コミュニケーション協会 代表理事・言語化コンサルタント・作家
14歳から、わかりにくいことをわかりやすい言葉に変換することに異常な執着を持つ。学生時代には『資本論』を「言語化」し、解説書を作成。学内で爆発的なヒットを記録した。ビジネスでも「本人は伝えているつもりでも、何も伝わっていない!」状況」を多数目撃し、伝わらない言葉になってしまう真因と、どうすれば相手に伝わる言葉になるのかを研究し続けている。企業のリーダーに向けた言語化プログラム研修、経営者向けのビジネス言語化コンサルティング実績は、年間200件以上、累計3000件を超える。

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